業務マニュアルのテンプレートを探している方の多くは、「何を、どの順で書けばいいか」の型が欲しい状態だと思います。この記事では、実際に使う項目構成をそのまま公開します。あわせて、テンプレートを配っただけでは埋まらない理由と、その対処も書きます。
業務マニュアルの項目構成(8ブロック)
上から順に、書く人が話しやすい順に並べてあります。分類から入らず、この順に埋めてください。
- 表紙:業務名/対象者/更新日/更新担当
4項目だけ。更新日と担当者名は必ず入れてください。これが無いと、読む側は内容を信用できず、結局本人に確認します。 - この業務の目的
誰のために、何が達成できれば終わりか。1〜2行。ここが無いと、後任は「言われたからやる作業」になり、状況が変わったときに判断できません。 - 発生のきっかけと頻度
何が起きたら始まるか。月に何件くらいか。繁忙期はいつか。 - 全体の流れ
10〜20工程。1工程は15分〜1時間で終わるまとまりが目安。細かい操作はここに書かず、別紙の手順書へ回します。 - 各工程の詳細
使う資料・システム・帳票と、その保管場所。誰に頼む工程があるか。 - 判断の基準
最重要のブロックです。「進める/止める/相談する」の分かれ目を、条件と対応のセットで書きます。詳しくは判断表の作り方へ。 - 例外と、そのときの対処
過去に実際に起きたトラブルを3〜5件。何が起きて、何を見て、どう対処したか。作り話ではなく実例を書くこと。 - 関係者と連絡先
社内・社外。それぞれ何を聞くときに連絡するか。不在時の代わりは誰か。
「テンプレートに書けない」項目がある
項目を用意しても、次の3つは高い確率で空欄のまま返ってきます。
- 本人が当たり前だと思っていること:長くやっている人ほど、無意識の工程が増えます。本人には見えていません。
- 判断の理由:「経験で分かる」で終わりがちです。実例を出して「このとき、なぜそうしたか」と聞かないと出てきません。
- 年に数回しか発生しない作業:書いている時点で発生していないので、思い出されません。
だからテンプレートは「埋めてもらって終わり」ではなく、埋まった内容を見ながら第三者が質問する工程とセットで使ってください。
埋まらないときの対処
- 見本を一緒に渡す:最初の1〜2項目を誰かが埋めた状態にしておく。粒度も揃います。
- 1回で全部埋めさせない:ブロック単位で、15〜30分ずつに分ける。まとめて2時間は取れません。
- 書かせるのをやめる:聞き取って代筆する。話すのは苦にならない人が多く、こちらのほうが早く終わります。
形式の選び方
- Word:手順が一本道で、文章と写真が中心なら向きます。
- Excel:条件で分岐する、一覧で見比べる、チェック欄が要る場合に向きます。
- Googleドキュメント/スプレッドシート:複数人で直す前提なら有利です。版が分かれません。
決め手は形式ではなく、社内の人が開けて直せるかです。特定の人しか持っていないソフトで作ると、その人が抜けた瞬間に更新が止まります。
作ったあと、必ずやること
その業務を知らない人に渡して、実際にやってもらってください。これが唯一の検品方法です。本人と、業務を知っている上司だけで確認すると、両方が答えを知っているので抜けに気づけません。
詰まった箇所が書き漏らしです。そこを埋めれば、テンプレートは「型」から「使える資料」に変わります。使われ続けるための更新の決め方はマニュアルの更新ルールにまとめました。
まとめ
- 項目は8ブロック。表紙/目的/きっかけ/全体の流れ/各工程/判断/例外/関係者。
- 表紙の更新日と担当者名は必須。無いと信用されない。
- 本人の当たり前・判断の理由・頻度の低い作業は、項目があっても書かれない。質問で補う。
- 埋まらないときは、見本を渡す/分割する/聞き取って代筆する。
- 形式より「社内の人が開けて直せるか」。
ツグアスの診断では、この聞き取りを第三者として行います。実際にお渡しするものの見本を公開しているので、中身を見てからご判断ください。